朝のあいさつ
例会の一日は、中野正得会長(写真上)の朝の挨拶からスタートします。
時事、業界の最新情報、臨床に関すること等、少しでも会員に有益な情報を提供しようと、常日頃から思いを巡らされています。
個人的に私も、度々お話いただける奇蹟的な症例に勇気をもらっている一人です。
- 被災地へのお見舞い
今月は、全国各地で度重なる自然災害によって被害にあわれた方々へのお見舞いを、冒頭で申し上げられました。
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
- 業界関連
業界の新たな動きとして、(公社)大阪府鍼灸師会、(公社)大阪府鍼灸マッサージ師会が大阪府と防災協定を締結したことが報告されました。
- 本会指導講師による多団体での講演実技、執筆など
また、監事の古野忠光先生が8月26日に開催された、『(公社)大阪府鍼灸マッサージ師会生涯研修会』にて、「疼痛に対する鍼灸」をテーマに、「経絡治療」と、第二の本治法である「古野式経絡骨盤調整療法」による講演実技をされたこと、神開副会長が『鍼灸OSAKA』にて「五十肩に対する経絡治療」を、中野会長が『医道の日本』にて「アトピー性皮膚炎に対する経絡治療」について、執筆されたことが報告されました。
臨床こぼれ話
今月は宮脇優輝名誉会長のこぼれ話でした。
先ず、治療家にとって手が大事であり、治療家の手の作り方や、参考書籍、本会副会長の浅井輝昭先生の手がお手本であることが紹介されました。
続いて、症例報告では、腎の内因症について、腎虚の恐れと、腎実の恐れがあって、補瀉共にあることを教えていただきました。
「心に虚なし、腎に実なし」という名言がありますが、どうやら臨床的には「五臓全てに虚実あり」ありが正しいようです。
早速臨床実践したいと思います。
※表は中野先生のSNSより転載
普通部1年講義/経絡治療学基礎講座
1時間目の講義は、松本是清先生による、「病因論」。
生気を蝕む病因として、外因、内因、不内外因の3因があること、それぞれの特徴を詳しく解説されました。
特に、内因を、恋愛を引き合いに出し、成就したときの心の動き、失恋した時の心の動きで説明されていたのが、秀逸でした。
身近な例えで説明していただき、みなさん分かりやすかったと思います。
みなさん、病因とは病気の原因となるものですから、是非是非詳しく学んでください。
松本先生、貴重な講義をありがとうございました。
2時間目の講義は茶谷隆晴先生による、「病症論1」。
先ずは、ベテランの先生らしく自己紹介から始められました。
その中で、趣味が高じて書籍商を始められたこと、また『察病指南』の翻訳をされていることなど、とても熱心に東洋医学に取り組まれていることが伝わってきました。
病症論を学ぶ目的は、病症で治療するためではなく、主たる変動経絡を導くための根拠として活用する診断学であり、症候と証の関係性を、「すべての病変を経絡の変動とし陰陽虚実に分けて診察していく、即ち証は治療目標であり病気の本体」であると説明され、さらにそれを、四大病症や、気虚・血虚、陽証・陰証などの基本的なところから、五臓の代表的な病症や、虚体患者と実体患者に対するドーゼ(治療)の違いなどの臨床的なところにまで及んで、丁寧に説明されておられました。
また、経絡治療と伝統漢方と中医学の違いを説明されていたのも大変興味深かったです。
みなさん、3回シリーズですので、よく学んで、現象(病症)から本質(証)に迫れるように成りましょう!
普通部2年講義/経絡治療学臨床講座
1時間目の講義は、森井弘武先生による「経絡治療における補助療法(ナソ・ムノ編 )」。
ナソ治療、ムノ治療とは、(一社)日本はり医学会が開発した補助療法です。
ナソとは、頚腕症候群の略符号「KW」を点字読みしたもので、ムノもこれに準じます。
このナソ治療ムノ治療について、森井先生より、詳しく解説していただきました。
曲線に沿って、反応を正確に捉えて鍼を当てること。
手技は、補法の手技が基本であること。
これらは、本治法の補助療法(本治法の効果を殺さずに効果を補助する治療)であるということ。
そして、実践あるのみだということを、特に強調されておられました。
普通部2年では、臨床を踏まえた講義が中心となりますので、まさしくそれに見合った素晴らしいお話でした。
森井先生ありがとうございました。
最後に、このナソ・ムノ治療ですが、(一社)日本はり医学会では、古野忠光先生が、ナソ治療を「経絡頚腕調整療法」、ムノ治療を「経絡骨盤調整療法」へと、進化させておられます。
特に経絡骨盤調整療法は、鼠径部を中心とする経絡上の滞りと病気の関係に着目し、古典的理論と臨床実践によって確立された特殊鍼法です。
2時間目の講義は、宮脇ゆかり先生による「小児はり(臨床編)」 。
先ず、出口調査として、小児はりを臨床にとりれているか?小児はりによる実際の臨床をみたことがあるかをみなさんに尋ねられておりました。
これはとっても大事なことだと思います。
そして参考図書として、いつもお世話になっています、森ノ宮医療学園副校長、尾崎朋文先生監修、『実践小児はり法』をご紹介していただきました。
早速買わねば!
本会指導講師には、小児はりを専門にされている先生方が多く、白川先生は、登校拒否の子供さんの治療をたくさんされておられること、榎本先生もたくさんの子供さんを治療されておられること、藤井先生は眼の小児がんを子供さんを救われたことを紹介していただきました。
そして、ゆかり先生自身も、普段の臨床では、アトピー、ダウン症、眼科疾患、肩こり、吃音、中高生の夜尿症、蓄膿症、チックなど、種々多用な小児疾患を取り扱っておられることを教えていただ来ました。
このお話を聞かせていただき、あらためて、なんて凄い会に入ったんだろうと、自分の選択が間違っていなかったことを再確認することができました。
教室におられたほとんどが、私と同じ気持ちを抱いたのではないでしょうか?
ゆかり先生、素敵な講義をありがとうございました。
高等部以上講義/経絡治療学実践講座
1時間目は、中野正得先生による、「五臓の生理と病因病理と病症 脾と腎」。
すっかりお馴染みとなりました、中野先生の大人気シリーズ。
毎回、その病症はなぜ発症したのかを、蔵象から詳しく解説してくださいます。
しかもわかりやすい!
今回は脾と腎という、後天と先天の原気。
発生学から、命門-三焦を解説していただき、正に圧巻の40分でした。
2時間目は、三好力先生による、「故柳下登志夫先生の臨床追試講話 第9回」。
導入部分で、先生ご自身が、大事な挨拶を控えていて緊張していた時に、柳下先生に鍼をしてもらったら、緊張がとれ、涙する聴衆が出るほど、落ちつて」感動的なスピーチができた事例を話され、鍼1本で精神状態を変えることができるというお話をされました。
他にも、鍼が精神に与える影響について述べられました。
肝虚でない患者の肝を補い続けると、少年は非行に走り、少女は誤った性衝動に駆られるようになる、うつ病の治療は喜びを与えるということで、左の心経や心包経を補う、脾を誤って補うと手が震えるようになる等々、鍼聖と呼ばれた柳下先生の崇高なる臨床実践によって得られた理論を余すところなくご教授していただきました。
三好先生、次回もよろしくお願いいたします。
治験発表A班/会員による症例発表
1題目は、八川佳代会員による「妊活」。
患者は、妊活が目的で来院された30代の女性で、特筆する症状として月経痛があるとのことでした。
四診法を総合的に判断して、肝虚脾実証で治療を進められたとのことですが、本治法を中心に体質を改善され、その時々の愁訴に合わせて、補助療法・標治法に工夫を凝らして対処されていました。
月経痛の改善がみられているとのことで、入会僅か2年で経絡治療の型を守って、効果を出されていることに、本当にすごいと思いました。
講評 三ツ川友一郎先生
症状の改善がみられているのが良かったとされ、途中で証を変更されたがその適否はどうだったかの経過をよく観察することが大切だと、本会の妊活鍼灸の第一人者としてアドバイスされました。
講評 小河勝美先生
先天の原気を補填する後天の原気が大切で、治療はもちろん、添加物を含め食生活の見直しも、養生という観点から重要だと思いますとアドバイスされ、治療面では、陰実や和法の大切さを説かれておりました。
2題目は、竹内美香会員による「手首の痛み」。
臨床でも遭遇する頻度が高い、手首の痛みの症例でした。
鍼灸治療を始めて受けられた患者さんとのことで、何をするか?何のためにするか?それをしたらどうなるか?など、患者さんの立場に立って、施術毎に声をかけて説明しながら進められたことがとても共感が持てました。
治療においても本治法を中心に、補助療法として経絡頚腕調整療法などに取り組まれていました。
次回の発表も楽しみにしております。
講評 三ツ川友一郎先生
落ち着いた発表を褒められ、次の発表への改善点のアドバイスがありました。
主訴・愁訴と立てた証の整合性をまとめることの大切さ、痛みはできるだけとってあげてくださいということもアドバイスされました。
講評 小河勝美先生
実践的なアドバイスとして、缺盆穴を中心に、肩甲骨、棘下筋周辺の経穴の反応をよく診て処置することで経過が良くなることをご教授くださいました。
子午治療、刺絡、打ち抜きのお灸などの秘技もご紹介されました。
会場にいらっしゃった方全員が勉強になったと思います。
治験発表B班/会員による症例発表
1題目は、沼田真二会員による「シャルコー・マリー・トゥース病」。
初めて聞いた病名で興味津々に聴かせていただきました。
四肢の疼痛と筋力低下の病気で難病指定ということでした。
治療毎に症状が和らぐとのことで、難病における経絡治療の優秀性を実証された発表となりました。
講評 丸尾頼廉先生
証の伝変しながらも結果が出ているのはよかった。
奇経治療併用すると、もう少し治療効果を持続できたのではないか。
等をアドバイスされました。
2題目は、領家亜希子会員による「腰痛」。
腰痛は、肩こり、膝痛と並んで、鍼灸臨床における3大疾患で、着目して聴かせていただきました。
腰は腎の府ということで、思いを巡らせながら聴かせていただきましたが、刺鍼を総合的に判断されて、やはり定石通りに腎虚証で治療をされておられ、領家さんの見立てと自分の見立てが一致したので、嬉しくなりました。
本会の治験発表では、発表者だけでなく、会場の聴衆も、自分ならどのような証を立て、どのような治療を施すかという、高い意識をもって聴いておられますので、誰もが勉強になります。
そして最後に講師の先生方が講評してくださるので、なお一層勉強になります。
症状も改善されており、大変勉強になる発表でした。
講評 高木慶太先生
非常に聴きやすく、形式に則った発表でよかった。
刺鍼毎の脉状の確認を大切にするように。
自分の作りたい患者の体に合った脉状をイメージすることが大切である。
等の講評の言葉が送られました。
3題目は、奥原寿浩「月経異常と背中の張り」 。
やっぱり、鍼灸治療室には女性の患者さんが多いですねー。
私の治療室にも、やはり女性の比率が最近増えてきたので、とてもマストな症例を聴くことができました。
月経が安定しだしたとのことで、ご自分でもビックリされたとのことでした。
最後の考察で仰っておられましたが、自分で行った治療でこれだけの変化が出せるのは経絡治療の素晴らしであると改めて感じさせられましたということですが、本当にこの言葉に尽きます。
よーし自分も頑張ろう(^^)/
講評 丸尾頼廉先生
短期間でいい結果が出てよかった。
婦人科の名灸穴である、三陰交の活用も今後研究されていくべきだと、アドバイスがありました。
研修部実技補講
今年度から、治験発表の時間に、研修部2年目以上の会員を対象に、実技に関する補講が行われています。
今月は、脉状に応じた手技手法の確認が行われました。
患者役、施術者、検脉者の3人1組で実技を進めます。
患者役は椅子に座ります。施術者は患者役の左前腕に補法の基本刺鍼を行います。
検脉者は患者役の右手の脉を診ます。
施術者は刺鍼の経過をその度告げます。
検脉者はその度脉状がどう変わかるかを確認します。
例えば、施術者が取穴したら「取穴」と告げます。
検脉者はそれを受けて脉状がどう変化したかを確認し施術者に返します。
これによって施術者は今行っている手技が適当かどうかを知ることができ、検脉者は取穴の適否による脉の動きを手に覚えさせることができます。
もう一つ忘れてはならないのが、3人目の患者役です。
実際に受けることで、正しい触り方、押し手の置き方、鍼の動かし方を感じます。
施術者、検脉者、患者の3人1組で、刺鍼修練、検脉力の向上、感覚の修練が同時に行えます。
これを、考案者である故小里勝之先生(元日本はり医学会初代副会長)の名前にちなんで、小里方式とします。
本会の、3年で経絡治療を習得可能とする優れた育成システムの中核を成す、集団刺鍼修練法です。
膝疾患座談会
午前中に、録音部特別企画「膝疾患座談会」の収録が行われました。
パネリストは、宮脇優輝先生、古野忠光先生、丸尾頼廉先生、中野正得先生の4名です。
宮脇優輝先生
古野忠光先生
丸尾頼連先生
中野正得先生
進行役の迎山秀哉先生と水谷陽子先生の絶妙の回しで、本会が誇る三大レジェンドと臨床ファンタジスタの魅力を存分に引き出されていました。
運よく、広報部のレポート係として参加させていただきラッキーでした。
大変勉強になりました。
会員のみなさまにおかれましては、膝疾患攻略における、指南書として、座談会のデータを是非是非、お買いお求めください。
災害支援鍼灸経絡治療ボランティア ランチョン報告会
お昼休みに、西日本豪雨災における害災害支援鍼灸経絡治療ボランティアの報告会が催されました。
7月16日、倉敷市保健所災害対策本部より要請を受け、中野会長、松山晋一先生、山内健太郎先生、西口陽子会員、野田裕貴会員の5名で、災害支援チームを編成し、真備町岡田小学校に設置された避難所で経絡治療による鍼灸ボランティアが行われました。
先生方より、本会の痛くない鍼と熱くないお灸による経絡治療は、施設が整っていない場所であっても、良質の医療を提供できることが報告され、会員一同勇気と自信を持つことができました。
5名の先生方におかれましては、私たち会員を代表して行っていただき、本当にありがとうございました。
松山晋一先生
山内健太郎先生
西口陽子会員
野田裕貴会員
朝の中野会長のご挨拶でもありましたが、被災されたみなさまに謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
私の臨床室/指導講師による臨床報告
今月の担当は、水谷陽子先生。
「大切な友人でがんの治療中、この友人に迷いなく是非治療させてくださいと言えるでしょうか?」
水谷先生の言葉が胸に突き刺さりました。
長年来のご友人ががんを患い、手術、ホルモン療法などを行うが、その後再発。転移。
抗がん剤治療を開始するにあたり、ご友人のご長男さんが、高校受験のため、抗がん剤による副作用で心配をかけたくないとのことから、髪の毛が抜けないような薬から開始されるなど、心根の優しい、気遣いの方であったことや、食事改善など養生には相当気を付けられ、幼い娘さんが二十歳になるまで死ねないと、笑顔で頑張っていた中での転移再発だったこと、大切な友人を失いたくはないという思いから、鍼灸治療を併用すること、その治療を自分に任せてもらえないかという提案を、中々できずにいたことなど、当時の心境を赤裸々に語っていただきました。
転機となったのが、喘息の治療でした。
1年も前から喘息症状があり、咳で肋骨を折ったり、眠れなかったりするほどだったそうです。
目の前の病気と闘っておられるご友人に対し、❝大切な人を救えないのでは、何のために鍼灸師に成ったのか、何のために勉強しているのか❞、という思いから、思い切って、「喘息はかなり鍼の効果が高いのよ、そしてがんが治るとまでは言えないけれど娘ちゃんが二十歳になるまで、あなたが死なないように手助けはできると思う。治療を継続的に受けてみない?」と仰られたところ、ご友人は素直に喜んで治療に来てくれたくれたとのことでした。
肝虚肺実証で、治療を重ねるたびに喘息症状は緩解され、がんの方も現在は安定されているようです。
「ある程度抗がん剤が効いており、なおかつQOLを下げないよう、副作用を鍼でフォローできていると考えており、そして冬に向けて咳が悪化しないよう治療を続けています。」
と、経過を述べられました。
そして、
「安心して受けられる経絡治療、友人として寄りそうこと、鍼灸師、経絡治療家に成ったからこそできること、人の役に立つ仕事をしたいという自分の夢が叶ったなあ、と思うと同時に責任も痛感しています。これからも大切な人に寄り添えるよう、勉強し、技術を研き、人間を研いていきたいと考えています。皆さんとこうやって例会で勉強できることを感謝します。」
主治医に刺入する鍼、火傷をつけるお灸は禁忌であるという制限を設けられている中でも、本会の痛くない鍼(刺さない鍼)と熱くないお灸(火を使わないお灸)の優秀性を再度私たちに提示していただき、経絡治療家としての決意を胸に、お話を締めくくられました。
自分は経絡治療家として果たしてどうなんだろう、患者さんと向き合っているのだろうかと考えさせられる水谷先生の私の臨床室でした。
水谷先生、貴重なお話をありがとうございました。
入会説明会
今月は第1回入会説明会が開催されました。
ご参加いただいたみなさま、お休みの日にもかかわらずお越しいただきありがとうございました。
みなさまと一緒に、経絡治療を学べることを願っております。
聴講講義
今月の聴講講義は、木下美穂先生による、「臨床の現場から」。
木下先生は、ご主人と一緒に開業されており、ご主人はトリガーポイントをされているとのこと!?
経絡治療との出会いは、学生時代に入った経絡治療サークルでした。
サークルで習った経絡治療で、お姉さんの治療を見よう見まねでやってみたら、その夜に吐血して救急車で運ばれたそうで、胃潰瘍だったみたいです。
それ以来怖くて経絡治療をできなくなり、きちんとした学術団体で基礎から経絡治療を学ばなければいけないと思っていた矢先、ひょんな出会いから本会指導講師の堀田先生に誘われて、足を運ばれたのが、東洋はり関西でした。
その後ご縁を経て、本会相談役を務めておられる丸尾頼廉先生に弟子入りされ、本当の経絡治療家への道がスタートされました。
そうして、修行期間を終え、ご主人と開業され現在に至っておられます。
ご主人はトリガーポイントで疼痛疾患を得意とされておられるそうですが、精神疾患が苦手ということで、木下先生はそちらの患者さんを診られているそうです。
もちろん、疼痛疾患も診られるとのことで、経絡治療をやっているお陰で幅広く患者さんを取り扱えることができるのがうれしいし、この会に入ってよかったなと思えますと、聴講生のみなさんに力強く語っておられました。
こうゆうお話は中々聴けないので、今月聴講に来られた方々の中には学生さんもいましたので、今後の参考になったのではないでしょうか?
答えが見つかるとまでは言えなくても、何からしらのヒントぐらいは見つかるかもしれません。
毎月聴講生を受け付けて入りますので、気軽に遊びに来てください。
実 技
午後からは実技を行います。
冒頭、補法と瀉法の基本刺鍼を小里方式にて修練します。
その後、本治法トレーニングをひたすら行います。
実際に診察診断から本治法終了までを、小人数の班に分かれて行います。
各班に指導講師がつきます。
そして、全員で四診を行い、ディスカッションしながら、証を決定し、証の基づいて本治法を行います。
ここが本会の最大の特徴で、全員が鍼を打ちます。
1人の講師の実技を囲んで見るスタイルが講習会の定番ですが、実際に鍼を打ってもらいます。
今月の各クラスは以下の通りです。
普通部1年実技
補法、本治法トレーニング。
補法の基本刺鍼を必死に体に手に覚えさせようと懸命に取り組んでおられました。
それにしても、いつも思いますが、講師がやって見せて、講師にやってみるなんていうことができるのは、本当に何物にも代えがたい機会です。
みなさん、上達の道は、素直に聞いて、全力で取り組むことです!
普通部2年実技
補中の瀉法(塵・枯)、本治法トレーニング。
本会では、実邪と虚性の邪とさらには和法というように邪の種類を分けて、それに応じた瀉法の各論が習得できます。
本日は虚性の邪に対する、塵に応ずる補中の瀉法と、枯に応ずる補中の瀉法でした。
虚証時代の現代において、臨床的にも非常に使用頻度の高い手技です。
高等部実技
補中の瀉法(塵・枯・堅)、本治法トレーニング。
高等部ではおさらいを兼ねて、基本的な補中の瀉法を全てトレーニングしました。
その後の、本治法トレーニングも、流石は高等部です。
模擬患者となった班員の証を積極的にディスカッションされていました。
実際に治療できるというのが、即明日につながる最高の実技だと思います。
みなさん、いい鍼打てましたか?(*^^*)
研修部実技
疾患別本治法トレーニング「顔面神経麻痺」。
普通部~高等部までの基礎課程を修了した会員が学ぶクラスが研修部ですが、数年前から、より臨床に即してということで、疾患別の本治法トレーニングを行うようにしています。
今月は「顔面神経麻痺」。
なにをかくそう、名誉会長宮脇優輝先生は顔面神経麻痺の名人として名を馳せておられます。
冒頭、宮脇先生から事前にレクチャーを受けた、
- 末梢神経か中枢神経かの判別。
- ベル麻痺の半数近くは何もしなくても治るが、後の半分は治りにくいという事で自信をもって治療する。
- その際治療間隔は10日くらい毎日でもいい(日曜がはいるが)
- ハント症候群は注意(風邪ひいたか、頭が痛いか、舌がしびれていないかなど聞き、2つ当てはまれば疑う)。
- けいれんと口の共同運動についてもしっかり治療前に説明しておく
- 治療
- 証は様々。
- 奇経は、外ー臨 申ー後 たまに照ー列。
- ハントや中枢性には刺絡が有効(エイ風、風池、顔面部に刺絡)。
- 効果判定の基準として、肩のゆるみも目安に。
等々、本疾患のポイントを、各指導講師が各々の班で班員に説明されました。
これでもう会員のみなさんは、顔面神経麻痺はバッチリですね。
研究部実技
また本会には、重要な研究機関としての研究部が設置されています。
入会5年目以降の方は、研究部に所属して、より高みを目指すためや、課題克服のために臨床研究を行うことができます。
研究部の活動は研究部のブログを是非ご愛読ください。
http://kennkyuubu.jugem.jp/?eid=71
聴講実技
6名の聴講生に対して、3名ずつの2班に分けて、経絡治療のデモンストレーションが行われました。
聴講部長の宮田あずさ先生主導で、脉診や腹診などの基本的なことをかいつまんで説明を受けた後、実際に模擬患者になっていただき、診察診断から治療終了までを講師の先生と一緒に進められていきました。
1本の鍼で脉が変われば体が変わること、講師だからできる魔法ではなく、どなたでも正しい技術の下に再現できることを学ばれていました。
正直、精巧な技術のため、簡単ではありませんが、習得されるとありとあらゆる疾患を取り扱えるようになります。
大阪はもちろん神戸や京都からもお越し頂きありがとうございました。
せっかくのご縁ですので、入会するしないに関わらず、いつでも気軽にご参加ください。
こんなことを書くとお叱りを受けそうですが、中野会長を中心に、馬鹿正直すぎるほど人のいい先生方ばかりなので、聞けば何でも答えてくれます。
セミナー補講
9月30日~10月1日に、2年1度の須磨セミナーが開催されます。
講師の先生方はもちろん、補助に当たられる先生方も、担当する実技以外の実技を受けられないので、前回と今月の例会の後を使って、セミナー補講が開催されました。
セミナーのプログラムである、中野先生の刺絡、三好先生の接触鍼と刺入鍼、神開先生の異種金属てい鍼経絡調整療法が披露されました。
早速明日の臨床から使える内容で大変勉強になりました。
先生方、ありがとうございました。
須磨セミナー
例会では、本治法を実習します。
証決定に至るプロセスや脉診、腹診の診方触り方、補瀉の細かな刺鍼技術の習得に時間を割きます。
中々標治法や補助療法を詳しくやっている時間がありません。
そこで、セミナーの開催がされるようになりました。
須磨セミナーでは、標治法、補助療法に特化して実習します。
本会の標治法、補助療法は、経絡治療をやっていない鍼灸師の先生方にも、普段の臨床でされているメインの治療にプラスαしていただける即効性と全身性を兼備した実用性の高い治療法でということもあり、前回のセミナーより、会員外の先生方にも参加していただけるようになりました。
お陰様で、今回も全部を合わせて100名の方々が須磨に集います。
今月末が待ち遠しいです。
須磨セミナーの概要はこちらから。
総 評
今月も先生方と会員のみなさんの情熱で、素晴らしい例会となりました。
みなさん本当に、I LOVE 経絡治療がビシビシと伝わってきます。
今月良かったことは継続し、課題は次回克服できるように、みなさんで一緒に切磋琢磨しましょう。
中野先生がいつも仰るように昨日治せなかった患者を明日は治せるように来月の例会もよろしくお願いいたします。
おっとのその前に、月末にはいよいよ須磨セミナーが控えています。
須磨の地でみなさんに会えることを楽しみにしています。
レポート担当 広報部