経絡治療基本30証
✅69難型単一主証(5証)|✅69難型実証(5証)|✅75難型微邪証(5証)|✅81難型賊邪証(5証)|✅相剋証(10証)|からなる計30通りを基本証とする。
✅69難型単一主証(5証)
①肝虚証。
肝腎虚、肺脾実、心平。
適応側の肝を補い、必要に応じて腎を補う。
②心虚証。
心肝虚、腎肺実、脾平。
適応側の心(包)を補い、必要に応じて※反対側の肝を補う。
※同側の心肝を補うとロクなことにならない。
③脾虚証。
脾心虚、肝腎実、肺平。
適応側の脾を補い、必要に応じて心(包)を補う。
④肺虚証。
肺脾虚、心肝実、腎平。
適応側の肺を補い、必要に応じて脾を補う。
⑤腎虚証。
腎肺虚、脾心実、肝平。
適応側の腎を補い、必要に応じて肺を補う。
✅69難型実証(5証)|✅75難型微邪証(5証)
①69難型肺虚肝実証。
肺脾虚、肝病実。
適応側の肺を補い、必要に応じて脾を補い、必要に応じて反対側の肝を瀉す。
※適応側を左右に振り分けて補瀉する。
①75難型肺虚肝実証。
肺腎虚、肝心実、脾平。
適応側の腎を補い、同側の肝または心を瀉す。
※75難の特徴は、親が返せなくなった借金を子供が返すと考える。
また必ず同側で補瀉を完結させる。
②69難型肝虚脾実証。
肝腎虚、脾病実。
適応側の肝を補い、必要に応じて腎を補い、必要に応じて反対側の脾を瀉す。
②75難型肝虚脾実証。
肝心虚、脾肺実、腎平。
適応側の心(包)を補い、同側の脾または肺を瀉す。
③69難型脾虚腎実証。
脾心虚、腎病実。
適応側の脾を補い、必要に応じて心(包)を補い、必要に応じて反対側の腎を瀉す。
③75難型脾虚腎実証。
脾肺虚、腎肝実、心平。
適応側の肺を補い、同側の腎または肝を瀉す。
④69難型腎虚心実証。
腎肺虚、心病実。
適応側の腎を補い、必要に応じて肺を補い、必要に応じて反対側の心(包)を瀉す。
④75難型腎虚心実証。
腎肝虚、心脾実、肺平。
適応側の肝を補い、同側の心または脾を瀉す。
⑤69難型心虚肺実証。
心肝虚、肺病実。
適応側の心(包)を補い、必要に応じて※反対側の肝を補い、必要に応じて反対側の肺を瀉す。
⑤75難型心虚肺実証。
心脾虚、肺腎実、肝平。
適応側の脾を補い、同側の肺または腎を瀉す。
✅81難型賊邪証(5証)
①81難型肝虚肺実証。
肝腎虚、肺病実。
適応側の肝を補い、必要に応じて腎を補い、必要に応じて反対側の肺を瀉す。
②81難型心虚腎実証。
心肝虚、腎病実。
適応側の心(包)を補い、必要に応じて※反対側の肝を補い、必要に応じて反対側の腎を瀉す。
③81難型脾虚肝実証。
脾心虚、肝病実。
適応側の脾を補い、必要に応じて心(包)を補い、必要に応じて反対側の肝を瀉す。
④81難型肺虚心実証。
肺脾虚、心病実。
適応側の肺を補い、必要に応じて脾を補い、必要に応じて反対側の心(包)を瀉す。
⑤81難型腎虚脾実証。
腎肺虚、脾病実。
適応側の腎を補い、必要に応じて肺を補い、必要に応じて反対側の脾を瀉す。
✅相剋証(10証)
①肝肺相剋証。
肝腎肺虚、脾実、心平。
適応側の肝を補い、必要に応じて腎を補い、必要に応じて反対側の肺を補う。
※相剋証は適応側を左右に振り分けた重虚極補の相剋調整。肝虚と肺虚が同時に起こっている証。
②肝脾相剋証。
肝腎脾虚、肺実、心平。
適応側の肝を補い、必要に応じて腎を補い、必要に応じて反対側の脾を補う。
③心腎相剋証。
心肝腎虚、肺実、脾平。
適応側の心(包)を補い、必要に応じて反対側の腎を補う。
④心肺相剋証。
心肝肺虚、腎腎、脾平。
適応側の心(包)を補い、必要に応じて反対側の肺を補う。
⑤脾肝相剋証。
脾心肝虚、腎実、肺平。
適応側の脾を補い、必要に応じて心(包)を補い、必要に応じて反対側の肝を補う。
⑥脾腎相剋証。
脾心腎虚、肝実、肺平。
適応側の脾を補い、必要に応じて心(包)を補い、必要に応じて反対側の腎を補う。
⑦肺心相剋証。
肺脾心虚、肝実、腎平。
適応側の肺を補い、必要に応じて脾を補い、必要に応じて反対側の心(包)を補う。
⑧肺肝相剋証。
肺脾肝虚、心実、腎平。
適応側の肺を補い、必要に応じて脾を補い、必要に応じて反対側の肝を補う。
⑨腎脾相剋証。
腎肺脾虚、心実、肝平。
適応側の腎を補い、必要に応じて肺を補い、必要に応じて反対側の脾を補う。
⑩腎心相剋証。
腎肺心虚、脾実、肝平。
適応側の腎を補い、必要に応じて肺を補い、必要に応じて反対側の心(包)を補う。
以上が基本証で、後は応用です。
経絡治療の生みの親である井上恵理先生は、1,500通りの証が在ると仰っています。
「心に虚なし腎に実なし」とする肝脾肺腎の虚証だけで治せる病気は限りがあります。
多様化する一方の現代病や難病難症を、一本の鍼とひとつまみの艾で、癒し和らげ治し防ぐためには、「五臓全てに虚実あり」とし、さらにそこから発展させる必要があります。
臨床で患者と四つに組んでいれば自ずとそうなります。
患者は平気で理論を超えてきます。
平気で理論(病因病理)を超えてくるのが臨床です。
認めたくはありませんが認めざるを得ないのが臨床です。
頭と体にたっぷりと汗をかいて心を尽くして工夫してください。
中野正得