新型コロナウイルス感染症まとめ|感染拡大の防止について | 関西大阪での鍼灸・経絡治療の勉強会・セミナー、(一社)日本はり医学会(旧東洋はり医学会関西)


Information

お知らせ

2020.03.28

新型コロナウイルス感染症まとめ|感染拡大の防止について

感染拡大の防止について

絶対に避けたい「3つの密」とは?

厚生労働省や各都道府県の知事などが、感染拡大を防止するために「密閉空間」「密集場所」「密接場面」の3つの「密」を避けるよう、お願いをしています。

 

私たちにできることは、この3つの条件が重なる場所を避けられるだけ避けて、新しいクラスターを作らないことです。私は3つの条件をぎゅうぎゅう(手の届くところに大勢の人)、むんむん(密閉空間で換気がわるい)、がやがや(近距離で会話や発声)と覚えています。

 

3つの「密」を避ければ比較的安全

これは裏返すと、風通しがよく、人と人との距離が腕の長さ以上に離れていて、人がぺちゃくちゃしゃべっていない場所であれば比較的安全に過ごせるということを意味します。もちろん、そのような場所に行く際には、COVID-19の感染経路を絶つための対策を行うことが大事です。具体的には、飛沫感染を防ぐために咳エチケットを行うこと、体調不良の時には出かけないことです。また、接触感染を防ぐために、できるだけ顔に触れないように注意して、こまめに(特に不特定多数の人が触れる場所に触ったあと)石鹸と流水で20秒以上、手と指をくまなく洗うことです。

 

 

感染拡大が起こりやすい場所は?

 専門家会議では「ライブハウス」「スポーツジム」「屋形船」「ビュッフェスタイルの会食」「雀荘」「スキーのゲストハウス」「密閉された仮設テント」などを挙げています。これらは、実際に1人の感染者から複数の人たちに集団感染した事例が報告された場所です。

新型コロナ感染抑止へ「行かない方がいい場所」とは? 専門家会議の見解まとめ(THE PAGE)

 

散歩やジョギング、美術鑑賞などは低リスク

風邪などの症状のない人にとって、散歩やジョギング、買い物や美術鑑賞など、屋外での活動や人との接触が少ない活動、また手を伸ばしても相手に届かないような距離での会話などは、感染リスクが低いとしています。

 

オーバーシュートとは?

気が付かないうちに市中に、まちの中に感染が広がり、ある日突然、爆発的に患者が急増することをいいます。新型コロナウイルスによる感染症では、こうした自体が起こり得るとされています。

 

オーバーシュートが起きたら?

都市の封鎖、いわゆる「ロックダウン」を与儀なくされるかもしれません。それに伴って今以上の経済的打撃を受けるであろうことは想像に難くありません。

もう一つの懸念は、重症患者を救命するための病床、医療機器、専門性をもつ医療従事者などが不足し、本来なら救えた多数の命が救えない状況が発生するかもしれないということです。こうした懸念があるのは何も都市部に限ったことではありません。    

 

 

外出自粛は本当に感染拡大の防止に効果がある?

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、北海道などの事例から、外出の自粛が感染拡大の防止に効果があったとしています。

北海道では一定程度、新規感染者の増加を抑えられていることを示していると判断していますが、依然として流行は明確に収束に向かっておらず憂慮すべき状態が続いていると考えています。また、北海道知事による緊急事態宣言を契機として、道民の皆様が日常生活の行動を変容させ、事業者の方々が迅速に対策を講じられたことについては、急速な感染拡大の防止という観点からみて一定の効果があったものと判断しています。

新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(3月19日)

 

行動を変えることで制御できる

3月19日の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で方針を示しましたが、日本における国内感染は上記の大規模イベント自粛と行動自粛の実施中に、新規感染者の発生が減少に転じたことが知られています。この感染症は行動変容を伴う努力をもってすれば「制御できる」のです。

西浦・北大教授「助けてほしい」解禁ムードを危惧(m3.com)

 

春になれば感染拡大はおさまる?

季節性インフルエンザとは異なり、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続くと考えられます。

東邦大学医学部の舘田一博教授は「長期戦」になる覚悟が必要だと国民に訴えました。 「インフルエンザのように暖かくなると消えるようなウイルスではない。新型コロナウイルスとの戦いは数か月から半年、年を超えて、戦い続けていかないといけない」。

満員電車のリスクは? 専門家会議が示した日常生活の考え方とは(THE PAGE)

 

予防について

どうやって感染するの?

現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。 (1)飛沫感染 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。 ※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき (2)接触感染 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。 ※感染場所の例:電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど

厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A

 

感染を防ぐには?

現時点では、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。「手洗い」や「マスクの着用」を含む「咳エチケット」などの通常の感染症対策が重要です。

防災手帳「新型コロナウイルス感染症に備える」(Yahoo!天気・災害)

 

手洗いだけで大丈夫?

感染予防に最も有効な方法は手洗いです。 ウイルスは一般的に粘膜から体に侵入します。手が触れやすい顔には目・鼻・口に粘膜があり、触る前に手からウイルスを洗い流しておくことが、感染予防に1番大切です。 職場や学校に着いた、自宅に着いた、トイレに行った後、食事や水分を取る前、共用の食器(ビュッフェのトングやスプーンなど)や共用スペースのドアノブ・手すり・ひじ掛けなどに触ったら――1にも2にも、粘膜に触れる前の手洗いが有効です。

広がる新型コロナウイルスからわが身を守るには(Medical Note)

 

新型コロナウイルス、情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア(鈴木悠平)

 

消毒用アルコールが手に入らない場合は?

いま厚労省やWHOなどの公的機関が一般の方々に伝えている手指の衛生対策は2つです。一つはアルコール消毒、そしてもう一つは手洗いです。手洗いも大事なんですね。消毒用のアルコールが手に入らなければ、手洗いを心がけるのが良いと思います。 ハンドソープでしっかり洗う場合は「ハッピバースデー」の歌2回分ほどの時間をかけると良いとされています。

新型コロナウイルス「最適な消毒薬は?」「安全な使い方は」「入手困難どうすれば?」薬剤師に聞きました(市川衛)

 

マスクは必要なの?

マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ上で高い効果を持ちます。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクを着用しましょう。 ご自身の予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる予防効果はあまり認められていません。

厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

 

家庭内に感染が疑われる人がいる場合の注意点は?

ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合、同居のご家族は以下の点に注意してください。

ご家族、同居されている方は、既に感染している可能性もあります。感染者の症状が軽快してから 14日間経過するまでは、健康状態を監視することをお勧めします。職場や学校に行く時など外出する際はマスクを着用し、こまめに手を洗ってください。

厚生労働省│新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)

 

 

感染者の症状について

どんな症状が出るの?

新型コロナウイルスに感染した人は、ほとんどが無症状ないし軽症であり、既に回復している人もいます。  国内の症例を分析すると、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いです。  しかしながら、一部の症例は、人工呼吸器など集中治療を要する、重篤な肺炎症状を呈しており、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。現時点までの調査では、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いと考えられます。

厚生労働省|新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解

 

 

感染してもたいてい軽症で済むって本当?

実際に患者を診察した医師によると、感染者のうちの2割は入院が必要であり、5%は集中治療室に入らないと助けられないほど重篤化するとしています。また、悪化する際のスピードの早さが問題であると指摘しています。

悪くなる時のスピードがものすごく早い。本当に1日以内で、数時間で、それまで話せていたのに、どんどん酸素が足りなくなって、人工呼吸器を付けないと助けられない状況になる。それでも人工心肺をつけないと間に合わない、そういうことが目の前で一気に起こる。

「かかってはいけない病気」医師が口にする新型コロナの怖さとは(THE PAGE)

 

どんな人が重症化しやすい?

新型コロナウイルス感染症に罹って重症化しやすいのは高齢者と持病のある方ですので、このような方々は早めに病院を受診するのが良いでしょう。 また、病院を受診しない場合も、手洗いや咳エチケットなどの予防対策は必要ですし、周囲の人(特に高齢者や持病のある人)にはうつさないような配慮が必要です。 特に高齢者や持病のある方は不要不急な外出は控え、なるべく人混みは避けるようにしましょう。

今日から新型コロナPCR検査が保険適用に PCRの限界を知っておこう(忽那賢志)

 

ふつうの風邪やインフルエンザとどう違うの?

特徴的なのは、症状の続く期間の長さです。 新型コロナウイルス感染症は風邪やインフルエンザによく似ていますが、症状が続く期間がそれらと比べて長いという特徴があるようです。

インフルエンザは比較的急に発症し、高熱と咳、ノドの痛み、鼻水、頭痛、関節痛などが出現します。 風邪はインフルエンザに比べるとゆっくりと発症し、微熱、鼻水、ノドの痛み、咳などが数日続きます。 しかし、新型コロナウイルス感染症のように1週間以上続くことは比較的稀です(ただし咳や痰の症状だけが2週間程度残ることはよくあります)。 ここが風邪やインフルエンザと新型コロナウイルス感染症とを見分ける一つの手がかりになるかもしれません。

もしかして新型コロナウイルス感染症かなと思ったら 病院を受診するメリットとデメリット(忽那賢志)

 

感染者の状況は?

感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。 重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。

厚生労働省│新型コロナウイルス感染症対策専門家会議

 

国内事例の内訳は?

厚生労働省の報道発表資料「発生状況」から、国内事例の最新の状況を見られます。

 

相談窓口について

感染したかもしれないと思ったら?

熱があるからといって、必ずしも新型コロナウイルス感染とは限りません。現在、新型コロナウイルス感染症が疑われた場合、各自治体の相談窓口に電話相談した後に医療機関の「帰国者・接触者外来」を受診することになります。

新型コロナウイルス、情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア(鈴木悠平)

 

都道府県が設置している帰国者・接触者相談センター - 厚生労働省

 

症状が無い場合も相談できる窓口はある?

厚生労働省や各都道府県が、一般の方向けの電話相談窓口を設置しています。


厚生労働省|新型コロナウイルス感染症について
電話番号 0120-565653(フリーダイヤル)
受付時間 9時00分~21時00分(土日・祝日も実施)
FAX受付 03-3595-2756

各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口 - 首相官邸

 

診断・治療について

PCR検査とは?

PCR検査とは、ウイルスの遺伝子を検出する検査です。 新型コロナウイルス感染症の患者ではノドや痰の中に新型コロナウイルスが存在するため、ノドを拭ったり痰を採取したりして、その検体の中のウイルスの有無を検査します。 ウイルスの遺伝子が少数であっても検出できるため、一般的に感染症の検査の中では検出力の高い検査とされます。 新型コロナウイルス以外の微生物の検査でもよく用いられる検査であり、例えば、肺結核の診断にはPCR検査が行われています。

今日から新型コロナPCR検査が保険適応に PCRの限界を知っておこう(忽那賢志)

 

PCR検査が保険適用になったので誰でも受けられる?

帰国者・接触者相談センターや一般の医療機関で必要と判断された場合に「帰国者・接触者外来」でPCR検査を受けられるようになります。

3月6日からPCR検査に医療保険を適用します。適用により、帰国者・接触者相談センターに相談(24時間対応)し、センターから紹介された帰国者・接触者外来で検査が必要とされたときは、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接、検査依頼を行うことが可能となります。民間検査機関の検査能力も大幅に増強され、より多数の検査を実施することが可能となります。 加えて、かかりつけ医や一般のクリニックからPCR検査が必要と判断された場合にも、保険適用で検査を受けることができます。この場合、帰国者・接触者外来に連絡し、検査の場所・日時の調整を行うこととなります。

厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

 

検査しないで自宅で様子をみるのは危険では?

ただの風邪なのか、COVID-19なのかは病院で診察を受けても見分けることが困難です。検査をしても確実に診断ができるとは限らず、仮に感染していたとしても治療の方法はありません。 心配かもしれませんが、知っておいていただきたいのは、感染者の80%は軽症で、1週間ほど風邪のような症状が続いて治ってしまうということです。また、お子さんはなぜか感染者も重症者も非常に少ないですし、妊婦さんも今のところ重症化しやすいという報告は出ていません。 重症化する危険があるハイリスクな人は、だいたい50歳より上の方や持病のある方ですが、COVID-19の進行は比較的緩やかですので、風邪症状が出たら慌てずに休養し、症状を注意深く見守ってください。

新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました(BuzzFeed Japan)

 

どういう治療をするの?

新型コロナウイルス感染症の治療法は、風邪のような症状の場合には対症療法(熱や咳などの症状を抑える治療)を行いますが、肺炎の場合は酸素投与、全身循環管理に加えて抗ウイルス薬の投与が奏効する場合があります。特に重症な場合には、体外式膜式人工肺(ECMO:人工肺とポンプで肺の代替を行う装置)を使用しなければならないこともあります。

Medical Note|新型コロナウイルス関連肺炎

 

治療薬の開発は進んでいる?

完成された治療薬はまだありませんが、治療効果がある「かもしれない」薬剤はいくつかあり、臨床試験が行われています。ただし、治療効果や安全性については、現時点では明らかではありません。

 

イブプロフェンを飲まないほうがいいって本当?

新型コロナウイルス感染症に罹ったときにイブプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれる薬を飲むと悪影響があるかは、現時点ではわかっていません。
発熱などの症状がある場合には、自己判断では飲まず、医療機関などに相談するようにしましょう。

 

どうなったら退院できるの?

新型コロナウイルス感染症の退院基準は、厚生労働省から発表されています。

37.5度以上の発熱が24時間なく、呼吸器症状が改善傾向であることに加え、48時間後に核酸増幅法の検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した12時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合

厚生労働省|感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナ ウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)

 

 

会員のみなさまへ

一日でも早く終息し、例会が再開できるように、会員一人一人が医療者である自覚を持って、秩序ある行動に努めていただけますようよろしくお願い申し上げます。

一致団結してこの難局を乗り越えていきましょう。