(一社)日本はり医学会3月例会
一般社団法人日本はり医学会3月例会を行いました。
詳しい日程はこちらから → 2018年 3月例会案内
少人数制による手から手への実技指導で臨床に即した経絡治療を習得できます。段階的に学べるカリキュラムが充実しており、3年で経絡治療の基礎が身に付きます。あなたも内臓疾患やアレルギー、精神科疾患、不妊、難病…
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毎月150名前後の会員が集まり勉強しています。
今月もみなさん熱心に取り組んでおられました。
会員のみなさん、よい仕入れはできましたか?
昨日治せなかった患者さんを明日は治せるように毎月何か1つでも持って帰ってくださいね。
中野は午前の講義は研究部の発表を聴かせていただき講評をさせていただきました。
刺鍼班の研究発表
「刺鍼時における角度の研究」
経絡変動班の研究発表
「経絡変動と反応点」
両班とも大変素晴らしい研究発表でした。
本会では、普通部1年で経絡治療基礎講座、普通部2年で経絡治療臨床講座、高等部で経絡治療実践講座の基礎課程を学んでいただき経絡治療鍼灸専門家としての学と術の習得を目指していただきます。
4年目以降は研修部に進み疾患別治療法などさらなる臨床技術の向上に励んでいただきます。
その中で解決したい技術的な欲求が沸き起こった方々には目的を同じくする同士で研究班を立ち上げていただき自主的に個別の課題に取り組んでいただいております。
今月はこの1年間の研究の成果を午前の講義時間に研修部のクラスで発表していただきました。
先ず刺鍼班のみなさんへ。
鍼の角度について研究されておられましたがこれは気の調整においては非常に大切なテーマです。
このテーマに関して中野の現時点での見解を記します。
角度は患者さんの脉状に応じて変える必要があります。
大きく分けて、広がっている脉に対しては45度で刺鍼して左右圧をかけ脉を締めます。
締まって硬い緊張感のある脉に対しては30度以下に寝かせて刺鍼して左右圧をかけずに脉を緩めます。
締まって弱い脉に対してはてい鍼で刺鍼して脉を締めずにボリュームを出します。
①は陰虚内熱、②は陰実(気滞・湿痰・瘀血・邪熱)、③は気虚や陽虚の病因病理に対する刺鍼法です。
浮脉は浅く刺鍼します。沈脉は深く刺鍼します。数脉は手早く刺鍼します。遅脉はゆっくりと刺鍼します。虚脉は生気を補います。実脉は邪気を瀉します。
鍼灸師の鍼灸師による鍼灸師のためのOWND ONE
経絡変動班のみなさんへ。
流注上に現れた反応を経絡変動として綿密に観察することはとても大切なことです。
これは四診の切診の切経に包括されます。
本会の経絡治療の特徴は脉証腹証病症一貫性ですが、脉診と腹診を習いたての初学者にとっては今回研究された反応点の診察は病体把握、証決定の一助に寄与することでしょう。
今後の課題としてさらなる的中率を高められるように研究していってください。
その後は会員症例発表をB班で聴かせていただき講評をさせていただきました。
発表されたお二人とも真面目に必死に取り組んでおられるのがよく分かる素晴らしい発表でした。
講評で受けた質問内容をおさらいしておきます。
Q.本治法をしてから標治法をどう組み立てたらいいのかよく分からない。
A.患者さんの訴える主訴部の虚実を整えてください。
■外虚内実
押して痛いのは中が実で外が虚ですから、先ず外の虚を補ってください。
やり方は、局所の著明な圧痛硬結に鍼を接触し180度に寝かして押し手の示指で押さえ(皮膚が凹まない程度)、右利きの人は刺し手の人指し指の方向に回旋し、回旋しようとしても捻れないところを度として回旋しながら抜くと外虚が補え中の実所見である硬結が緩みます。
変化があればそれを度とし、変化がなければ中の実を瀉してください。
■外実内虚
押さえて気持ちがいいのは中が虚で外が実ですから、先ず外の実を瀉してください。
やり方は、局所を押さえて気持ちがいいところに鍼を接触し180度に寝かして押し手の示指で押さえ(皮膚が凹まない程度)、右利きの人は刺し手の親指の方向に回旋し、回旋しようとしても捻れないところを度として回旋しながらスーっと抜くと外実が瀉せ、中の虚が補われて症状が和らぎます。
変化があればそれを度とし、変化がなければ中の虚を補ってください。
Q.足首の捻挫や腫れ痛みの治療
A.八卦皮内鍼法が有効です、患部の最圧痛点に印をつけどの方向から皮内鍼を貼ると痛みが取れるかを確認し、最も楽になる方向から皮内鍼を止めてください。
八卦とは上下左右斜めの8方向です。
足首の捻挫などの腫れ痛み、虫垂炎や大腸憩室炎の鎮痛に効果があります。
午後の実技、今月はみなさんお待ちかねの宮脇奇経治療。
初学者のみなさんにとっては桁外れの即効性と診察診断治療の簡便さに度肝を抜かれたことでしょう!
これが世界中が愛して止まない宮脇奇経治療です。
是非明日からの臨床で実践してください。
ベテランの会員のみなさんは、年々奇経をとるのがとても上達されています。
流石の一言です。
継続は力なりですね。
宮脇奇経治療
宮脇奇経治療 - MIYAWAKI STYLE
鍼灸師の鍼灸師による鍼灸師のためのOWND ONE
今月は例会と並行して、今年度最後の入会説明会と5月に開講する認定アレルギー専門鍼灸師養成講座の説明会を開催しました。
お休みの日にも関わらずご参加いただきありがとうございます。
また、開催に当たりまして様々な広告媒体を介させていただきました。
関係各位におかれましては心から御礼申し上げます。
認定アレルギー説明会の目玉、宮脇優輝名誉会長によるアレルギー疾患に対する公開臨床。
みなさん熱心に見ておられます。
是非5月開講時にみなさんとお会いできるのを楽しみにしております。
例会終了後に2017年度の認定アレルギー専門鍼灸師intermediate classの修了式を行いました。
おめでとうございます。
認定アレルギー説明会は来月4月にもう一度開催しますので興味のある方は是非ご参加ください。
入会説明会は新年度のカリキュラムが4月からスタートするため今月で最後となりましたが、本会ホームページからオンライン入会もご利用いただけますので、痛くない鍼と熱くないお灸による客観性と誰がやっても再現性のある経絡治療を習得されたい方はお申し込みをお待ちしております。
今月は脉診に自信が持てない会員のための補講を行いましたが、このような細やかなフォローも定期的に行っておりますので脉診が苦手な方でも安心して学んでいただけます。